インビザライン矯正は、従来のワイヤー矯正のようにブラケットなどを使わず歯と歯ぐき全体を覆うマウスピース型の矯正装置を用いて歯を動かしていきます。従来のワイヤー矯正と比較して、金属を使用しないので審美性に優れ、また取り外し可能なため清浄性も抜群です。
まず、スキャナーを用いて歯形や歯並びのデータを採取し、その口腔内の歯列データを専用のソフトで分析した後にカスタムメイドでマウスピースを数個から数十個お作りします。作製するマウスピースと装着する歯の間には少しズレができるように意図した設計となっており、マウスピースを装着することで、このズレの向きに圧力が歯にかかり、歯がその方向へと動きます。インビザラインはSmartTrack素材という特殊な強化プラスチックを使用しているため、弱い力を持続的にかけて歯を移動させることが可能です。
インビザラインでは、約1~2週間でマウスピースを新しいものに取り替え、約0.25mm~0.35mmずつ歯を移動させます。より小さな力で徐々に歯が動き、今までのワイヤー型矯正と比較すると、矯正中の不快な痛みや違和感が少ないと感じる方が多いようです。また、歯の移動量の調整がしやすいので、従来のワイヤー矯正で生じることがある歯根吸収のリスクがほとんどありません。
このような方法で、マウスピースを交換しながら少しずつ歯を適正な位置に移動させる方法がインビザライン矯正なのです。
一度しか矯正治療を受けられないという決まりはありません。実際に、矯正後に後戻りしてしまい、再矯正治療を受けられる方が最近は多く見られます。後戻りする原因は、①治療終了時は歯並びが整っていても、永久歯への生え変わりや顎の成長によって歯並びが乱れてきた、②部分矯正後に他の部分の歯並びの乱れが気になってきた、③最初の矯正治療で歯並びの根本的な問題が解決されず、後になって噛み合わせがずれてきた、などが考えられます。
中には歯肉退縮や歯根吸収、歯周病が認められるケースではリスクが大きく、過度の負荷がかかって歯を失ってしまう危険がありますが、特に問題なく再矯正を行える患者様が大半です。また、再矯正は、最初の矯正治療時より期間や費用などの負担が少なく済むことが多いのも特徴です。
永久歯が安定し、顎の骨の成長が完了してから歯並びを再度整えることは、以降の虫歯リスクや歯周病リスクを低減し、頭痛や肩こりを感じにくいバランスの取れた身体の維持に役立ちます。
再治療を検討される方は、矯正の認定医が治療計画を丁寧に説明してくれる歯科で十分にカウンセリングを受けることをお勧めします。一度はキレイな歯並びを手に入れたわけですから、後戻りを放置するのは大変もったいない気がします。
2年近く続く、新型コロナウイルスによるパンデミックで、矯正治療を受ける人が増えているといいます。
日常的にマスクをするため、装置が目立つ心配がなくなったこと、人と会う機会が減り、装置を付けやすくなったこと、度重なる自粛要請により出費が減り、矯正治療費用をねん出できる人が増えたことなどが原因と考えられます。
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