しらかわブログ

意外と高価な銀歯の素材、パラジウム

2017年10月26日 (木)

銀歯と聞くと銀だけで出来ているのだと思われがちですが、実際の銀歯の素材は金銀パラジウム合金というものです。
銀だけでなく金、パラジウム、銅など、複数の金属を混ぜた素材でできています。
加工はしやすいけど、金歯よりは劣化しやすく、アレルギーリスクもある銀歯。
保険適用で安いから皆銀歯を入れるけれど、安くて丈夫以外にあまり長所が無いのも事実。

 

実は負担費用が安いのは保険のお陰で、現在、パラジウムの価格が高騰中だとか。
何と、今年に入って3割以上も値上がりし、一時はあのプラチナの価格をも抜いたそうです。
その余波は勿論、パラジウムを用いる歯科業界にも及び、今月から金銀パラジウム合金の補綴物が若干値上がりしたほどです。

 

このパラジウム高騰の背景には、車の販売台数の世界的な伸びがあります。
「なぜ車が関係するの?」と思いますよね。
車には触媒としてパラジウムが使われていて、これが消費増加の原因となっているのです。

 

でも、そもそもパラジウムとは一体何なのでしょう。
これは白金族元素の一つで銀白色の金属です。
歯科金属、自動車部品のほか、ジュエリーにも使用されています。

 

このままパラジウムの価格が上がれば、オールセラミックの素材の原価よりも高くなってしまうでしょう。
しかし、もしそうなれば、いつかセラミック歯も奥歯に保険適用で入れられるようになる時代も来るかもしれませんね。


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