以前にも歯軋り、食いしばりについてご紹介しましたが、今回は寒さとの関係性について着目したいと思います。
寒い季節になると体が縮こまって緊張し、無意識に肩や首に力が入ってしまいます。この緊張は顎の筋肉にもおよび、歯軋りや食いしばりを促す要因です。特に、寝ている間は寒さから身を守ろうとする本能的な反応として、全身に力が入りやすくなります。
また、冬場は室内と室外の温度差が大きいため体が緊張状態となりやすく、口周りの関節や筋肉に負担をかける原因にもなります。このように、寒さによるストレスは私たちの体にさまざまな影響を与えます。
歯軋りや食いしばりが続くと、歯の摩耗や顎関節症、さらには頭痛などの症状が現れる可能性があり、健康にとって良い状態とは言えません。すぐにできる対策として、寝る時は適切な室温管理を心がけることや、筋肉の緊張をほぐすために首や肩のストレッチなどを試してみるといいでしょう。日中も意識的に顎の力を抜くよう心がけ、定期的な運動で体全体の緊張を和らげることが大切です。
さらに、マウスピースの使用も効果的な予防法です。歯科医院で作製する専用のマウスピースは、歯への負担を軽減してより良い睡眠をサポートしてくれます。歯の食いしばりや歯軋りで気になる症状がある場合は、お気軽にご相談ください。専門的な方法も含めた適切な対処法をご提案します。
寒い季節は、体調管理としてお口の健康にも気を配ってくださいね。
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寒くなると、インフルエンザが流行する季節になります。予防する方法として手洗い・うがい・予防接種などがよく知られていますが、実は口腔ケアも大切な役目を持っています。
お口の中にはさまざまな細菌が生息しており、体内の免疫力を低下させる原因となるものも含まれています。口腔ケアが不十分になると、これらの細菌が繁殖し、唾液中の免疫成分の働きが阻害され、ウイルスが体内に侵入しやすくなります。特に、歯周病菌は全身の炎症反応を引き起こし、免疫力を低下させることが知られています。さらに、冬は特に乾燥しやすいため、唾液の分泌量が減少し、細菌やウイルスが増殖しやすい環境になりがちです。
細菌を抑制するための具体的な対策として、定期的な歯科クリーニングや自宅でのブラッシング、デンタルフロスの使用が挙げられます。日常的に口内環境を清潔に保つことはもちろん、インフルエンザの感染リスクを軽減する効果が期待できるでしょう。また、水分補給やガムを噛むことで唾液の分泌を促進することも有効です。こうしたケアは、年齢を問わず実践できる予防策として、家族全員で取り組みたいものです。
口腔ケアは健康な生活を支えるだけでなく、病気の予防にも貢献します。この冬は、普段行っている感染症対策に加え、口腔ケアの習慣を見直し、インフルエンザの対策をしてみませんか?
カテゴリー: 豆知識
お子様の歯が永久歯に生え変わる頃になると、「そろそろ矯正の相談をしようかな?」とご検討される親御さんが増えてきます。最近では、小児歯科矯正でも従来のワイヤー矯正ではなく、マウスピース矯正を選ぶ方が増加傾向にあるのをご存知でしたか?マウスピースには、成人用だけでなく小児専用の装置も存在します。
子ども向けのマウスピースは、顎や歯の成長を考えて設計されています。歯を動かすのではなく、これから生えてくる歯が綺麗に並ぶようにするのが目的です。成長に合わせてマウスピースを交換していき、歯並びを少しずつ整えられる特徴があります。一般的に、乳歯と永久歯が混在する時期から始めるケースが多く見られます。
お子様のマウスピース矯正が人気の理由として、以下の点が挙げられます。
・透明な装置で目立ちにくく、歯の装置を気にせず口を開けられる
・取り外しが可能なため、歯磨きがしやすく、虫歯予防にも効果的
・ワイヤーがないので、口内が傷つきにくい
このように装置が目立たないため、口元が見えてもコンプレックスを感じず、必要に応じて取り外せる点は、お子様にとって大きなメリットです。「早い時期から子どもの歯並びを綺麗にしたい」「永久歯が綺麗に生えてくるようにしたい」とお考えの親御さんは、ぜひお問合せください。矯正治療の必要の有無や、適切な矯正の開始時期などをお話します。
カテゴリー: 矯正治療
「口腔機能発達不全症」という病気を聞いたことはありますか?2018年に適用になった歯科の病名なので、ご存じでない方も多いのではないでしょうか。「口腔機能発達不全症」とは、食べる、話す、呼吸するといったお口の機能(口腔機能)の発達が不十分な状態のことを指します。18歳未満の子どもが診断の対象となり、大人が診断されることはほぼありません。
比較的新しい病名ですが、10代の半分近くが「口腔機能発達不全症」を疑う症状を経験しているという調査結果もあります。お子様に以下のような状態が見られたことはないでしょうか。
・食べこぼしが多い
・歯並びが悪い
・口呼吸している
・滑舌や発音が悪い
・指しゃぶりがやめられない
・よだれが多い
・いびきをかく
・口を開きっぱなしにしがち(口唇閉鎖不全症)
・柔らかいものを好んで食べる
原因としてさまざまなことが考えられますが、口呼吸による口周りの筋肉の使い方、顎の発達の遅れ、指しゃぶりなどの癖、猫背などが挙げられます。放置するとお口の重要な機能が正常発達しにくくなるリスクがあります。治療方法としては、お口周りの筋肉を鍛える口腔筋機能療法(MFT)や、矯正治療など症状に応じて選択します。また、食事の食べ方や姿勢などの生活指導も取り入れています。お子様に「口腔機能発達不全症」の疑いがありましたら、お気軽にご相談ください。
カテゴリー: 小児歯科
矯正治療できれいな歯並びになったら、その後に元の状態に戻ってしまうのは避けたいですよね。矯正治療後に元の歯並びに戻ろうとする現象は「後戻り」と呼ばれます。
後戻りが生じる原因としては、以下が挙げられます。
・矯正治療後に利用する保定装置を正しく使っていない
・保定装置を使用中に定期検診を受けていない
・唇をかむなどの歯に力がかかるような癖が治っていない
矯正治療中にこれらの原因を改善することで、治療がよりスムーズに進むでしょう。また、保定装置の装着時間を守ることで、後戻りを防ぐことができます。もし後戻りしてしまった場合は、矯正治療を最初からやり直すことなった事例もあり、余計な費用と時間がかかってしまいます。
保定装置を全く装着しないと、ほぼ100%後戻りが生じるとされています。加えて、装着時間が不足している場合にも、徐々に後戻りが起こります。基本的には、矯正期間と同じ期間、保定装置を装着する必要があります。矯正治療が終了した後も「後戻りを防ぐ習慣を身につける」ことが重要です。後悔しないためには、歯科医師の指示を日頃からきちんと守り、きれいな歯並びをキープできるように努めることが大切です。
カテゴリー: 矯正治療
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